サハ共和国アナバル地区 エクストリームツーリズム開始予定
ラプテフ海に面しているアナバル地区北部にて、エクストリームツーリズム普及のための観光クラスターの設立が予定されている。イオシフ ヴァシリエフ第一副地区長によると、これにより、この地区への観光客の流れが10 倍に増加する見込みだという。
「地元の実業家と一緒に、観光発展のマスタープランを練り終わり、2027年までにエクストリームツーリズムのための観光クラスターが設立される予定だ。それまでに 2 軒のホテル建設を予定しており、観光クラスター発展のために、2 台の貨物・旅客輸送のための水陸両用全地形万能車と 1 台のホバークラフトが購入された」
とヴァシリエフ氏は、タス通信社に語った。
シカ、バイソンと古代湖が多いこの地域には、トナカイの飼育を本業とするドルガン人が住んでおり、この地域の人口のほぼ半分を占めている。
観光プロジェクトの作成者は、彼らの独特の文化とライフスタイルが、この地域を訪れる主な理由になるかもしれない、と考えている。さらに、地区の北部には、野生のトナカイ、ホッキョクギツネ、ジャコウウシ、ホッキョクグマなどの希少動物が生息する自然保護区「テルピャイ=トゥムス」がある。
「これはこの地域の観光発展のために最重要なことだ」
とヴァシリエフ氏は確信している。
この地域ではウォーターツーリズムも有望視されている。サハ共和国の河川流域面積ランキングの第6位、ロシア国内で 第22 位のアナバル川でのラフティングや釣りは魅力的だ。
地区行政関係者は、観光客は、この地域のユニークな自然、たとえば、峡谷、岩石、雪原の未踏の地と何千もの湖と何百もの滝があるアナバル高原に興味を持つと信じている。この地域は、川の谷と古代の氷河の痕跡によって分断されている。地区北部、カタンガ湾からラプテフ海への出口には、ボリショイ・ベギチェフ島があり、その中央にはキリヤカ山の丘がある。この島はジャコウウシの繁殖地であり、ここでこの珍しい北極圏動物を観測することができる。
観光客は、ラプテフ海の海岸でセイウチを観測することもできる。セイウチのラプテフ海亜種はまれであり、レッドデータブック(絶滅のおそれのある野生生物情報を記載した図書)に掲載されている。
「この地区は観光客に美食ツアーを提供する準備もできている。北部の料理は多様で、トナカイ、野生動物、魚などの料理が豊富だ。また、クランベリー、ブルーベリー、クラウドベリーなど、野生植物もある」
とヴァシリエフ氏は説明する。
また、同氏によると、巡礼観光、写真家、ハンター、漁師のためのツアーの需要があるそうだ。ロシアの極地探検家、旅行者、ロシア地理学会のメンバーであるボグダン・ブリチェフは、極東大陸最北端のパクサ岬へのツアーを 2022 年に開始する予定だ。地区行政関係者によると、パクサ岬には観光客向けに 10 軒の近代的なグランピング ホテルが建設される予定だ。
「想像してみてください。あなたの目の前には、凍らない水、ホッキョクグマ、高さ 30 m までの切り立った崖、灯台があります」
2023年には、特に中国からの外国人観光客の訪問が予想される。今年は中国のツアーオペレーター数名がパクサ岬を訪れ、この地域の観光商品を評価する予定だ。
サハ共和国の観光の発展は、サハの非資源経済発展のための最優先の課題だ。国内では約200種類の観光ツアーが販売されており、その数は着実に増加している。最も人気のある観光ルートは、レナ石柱国立公園とオイミャコンの極寒地の視察、レナ川でのクルーズ、北極、山道を通るハイキング ツアー、釣り、ラフティング、そして様々なイベントだ。
関連省によると、サハ共和国への観光客の流れは、他の地域と同様に、コロナ勃発により2020年に減少し、114,500人になった。 2021年には、共和国への観光客の流れは以前のレベルに戻り、190,504人に達した。サハ当局は、2022年から2023年にかけて観光客の流れがコロナパンデミック前のレベルを超えると予想している。
【YSIA】 通信社 10月7日