永久凍土から数万年前の未知のウイルスを検出
ロシア、フランス、ドイツ3国の科学者チームが、シベリアのサハ共和国の永久凍土で、ほぼ5万年前に生息していたと思われる、いくつかのウイルスを発見した。長い時間が経った後、それらのウイルスは解凍されて突然生き返り、他の生物を殺すことができるようになった。中には、アメーバを攻撃して殺したウイルスもある。
長い間忘れられていた感染症が、人類を脅かす可能性はあるのだろうか。
サハや他の北部地域で、未知のウイルスが出現する危険性はあるのか。
ジャン=ミシェル クラヴェリ率いるフランスの科学者グループは、サハの永久凍土の氷のサンプルから、パンドラウイルスと、その他 12種類 の古代ウイルスを抽出した。最も古いものは 4万8500年前、最も若いものは2万7000年前と推定されている。古代のウイルスは、最大 16 メートルの深さの氷の中で発見されている。
これらの永久凍土のサンプルはすべて、2011年から 2016年にかけて、つまりフランスとロシアの間で科学協力が正常に進められていたときに、採取されたものだ。
最後に採取されたサンプルは、コロナウイルス前の2019年のものだった。地球には沢山の永久凍土があり、すべてを再調査することはできないため、科学者は、より興味深い領域を選択したと言える。掘削された穴の1つには、マンモスの毛の房があり、もう1つには、2万年前に死んだオオカミが入っていた。オオカミには腸があり、バクテリア、菌類、ウイルスなど、すべてを備えたバイオセノシス(生物群集)が含まれていた。科学者たちはまさにそのような、最も興味深いもののサンプルを研究した。
サハのジャーナリストは、米国のジョージ メイソン大学のシステム生物学科の教授である、アンナ バラノヴァ氏と研究の詳細について話した。彼女によると、パンドラウイルスは、ウイルスの中で最もサイズが大きく、人間にとって危険ではない、という。
そのサイズのために、パンドラウイルスは人間の細胞に入ることができない。例えば、ファウラーのネグレリアのようなアメーバが人間に感染したら、重度の髄膜脳炎を引き起こす等、害を及ぼす可能性がある。さらに、永久凍土の融解は、他の病原体の出現を促す。
そして今、まさに、何千キロにも渡って永久凍土が解けつつある。大量の永久凍土が融解することで、何らかの悪影響が確実に生じることは、容易に想像できる。しかし、それらは定義されておらず、未知のものは未知のままだ。
【SakhaLife】通信社 12月9日