サハ国民 長引く対ロ制裁下の生活に耐えられるか
対ロ制裁が、北極圏と極東における開発政策に影響するか、ロシアは自給自足できるか等々、サハニュース通信社の取材に対し、サハ共和国出身のアレクサンドル アキモフ ロシア上院議員は、以下の通り答えた。
–度々先生のお話にあった北極圏の開発計画は、対ロ制裁によって後回しになるのではありませんか?
「繰り返して申し上げますが、ロシアの未来は北極圏にあります。なぜなら、ここには『メンデレーエフ周期表』の全元素が埋蔵しているからです。石油、ガス、ダイヤモンド、金、石炭、その他です。ですから、これからのロシア連邦の発展のためには、北極圏と極東の役割を、過小評価してはいけません。この地域の開発を、最優先で進めなければならないのです。
そして、北極海航路も同様です。それと、鉱業の縮小は絶対にやってはいけません。逆に、自国の製造業、金属加工業を発展させ、ダイヤモンドの採掘量と採金量を増やす必要があると確信しております。そのために北極圏、特にマガダン州とサハ共和国に、特別な注意を払わなければなりません。
また、今回の対ロ制裁に耐えるために、ロシア経済と金融制度の根本的な再構築が必要です。そして、北極圏のアクセス確保のために、国産の航空機の導入を、勧めなければなりません。
ロシア上院である連邦会議では、北極圏・極東発展会議が設けられ、ガリーナ カレロヴァ上院副議長(上写真)が、その会議の議長を務めています。
最近、北極圏の空港の近代化と、航空機のリニューアルについて、話し合いの機会が増えています。老朽化したAN-24型機とAN-2型機に代わる、新しい小型航空機が必要とされています。
ヤクチヤ航空会社は、スホイスーパージェット機を、10年前から使っていますが、この航空機の部品は殆どが輸入品です。それを早急に、国産の代替品に代えなければなりません」
—現在、輸送路として、北極海航路の役割が、重要になってきたと思いませんか?
「今回の制裁下においては、北極海航路が唯一の選択肢となっています。砕氷船を使えば、貨物の安全な輸送を確保できます。現在、ジャタイ造船所で新しい船舶が製造中です。レナ川の水路以外に、ヤナ川、インジギルカ川、コルイマ川の水路も、貨物輸送のために、積極的に活用しなければなりません」
—サハ共和国は、食料の自給自足できますか?
「充分にできると思います。食肉、牛乳、魚類は、全てサハ共和国内で賄っています。また、キュウリとトマト、スイカや葡萄等の農作物も作っています。しかし、ジャガイモとキャベツは、何故か中国から輸入していますので、これらは将来、サハ共和国産のものに代えた方が良いと考えています。精肉供給のために、養豚場、養鶏場を作り、馬やトナカイも飼育しています。結果として、食料の安定供給のために必要な準備は整っており、西側の制裁は全く恐れていません」
【SakhaNews】通信社 3月25日