Posted on: 2023年3月25日 Posted by: 事務局 Comments: 0

永久凍土の融解による損害は 7,700 億ドルに相当する

 ヤクーツクは、気候変動と永久凍土の融解に関する、科学的かつ実践的な国際会議を主催している。イベントの全体会議で、ロシア科学アカデミーのシベリア支部の永久凍土科学研究所所長であるミハイル・ジェレズニャクが、永久凍土の融解による損害は、約7,700億ドルと見積もられていると述べた。

ミハイル・ジェレズニャク永久凍土科学研究所所長

「おそらく、これはまだ過小評価された数字です。 2001 年にはサハ共和国で壊滅的な洪水があり、2013 年には壊滅的なほどの水不足に陥りました。この 12 年周期をたどると、2025 年には積雪による大きな波が予想されるでしょう」
と、北東連邦大学分析および専門家活動担当副学長の アレクサンドル クガエフスキー氏は述べている。

アレクサンドル クガエフスキー北東連邦大学分析専門家活動担当副学長

 イベントの枠組み内のディスカッション プラットフォームで、科学者は共和国の北部地域における気候変動研究の結果を発表した。サハ全域で、1991 年から 2020 年までの期間は、前の30年よりも 0.7 ~ 2.1℃ 気温が高かった。過去 10 年間で、共和国の気温は大幅に上昇した。

 2007 年から 2020 年にかけて、オレニョク、サンガル、チュルマンの 3つの観測所で、0.4 度から 2.4 度の温暖化傾向が見られたと北東連邦大学報道部は報告している。 2020年は例年になく暖かい年となった。北部地域の住民の観察によると、冬の始まりが遅くなり、雪が多くなり、夏が長く続き、動物の移動が変化した。
 これらすべてが、北部の先住民族の伝統的な活動の状況に影響を与えている。

 世界的に、気候変動は生態系と野生生物を脅かしており、土壌の融解は永久凍土の上に建てられた多くの建物を脅かしている。

 ロシア、カザフスタン、キルギスタン、モンゴル、中国、インド、ブラジル、米国、日本の科学界の代表者である会議の参加者は、永久凍土を保護し、気候温暖化による被害を最小限に抑える解決策を考え出す必要がある。

【Sakhaday】通信社 3月24日

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