サハ共和国大統領が国際会議でクリエイティブ産業プロジェクトを紹介
サハ共和国のアイセン・ニコラエフ大統領、「ロシア国際クリエイティブ・シーズン(RICS)」会議に参加
サハ共和国のアイセン・ニコラエフ大統領は、「ロシア国際クリエイティブ・シーズン(RICS)」会議に参加し、地域におけるクリエイティブ経済の発展に関する経験を紹介しました。
会議では、ロシアおよび友好国からの行政関係者、プロデューサー、クリエイティブセンターの代表者らが参加し、活発な議論が行われました。その中でニコラエフ大統領は、業界が直面している重要な課題を指摘しました。
「私たちは現在、コンテンツについて多くを語っていますが、その“届け方”についてはあまり議論されていません。私たちが消費者に届けているコンテンツは、いずれも“非友好国”で開発・製造された機器上で動作しています。サハ共和国では、この問題を解決するために、ハードウェアとソフトウェアを一体化した『エクストラ・シネマ(Extra Cinema)』というシステムを開発しました。これは4Kの高品質で動作し、すでに海外製品の代替として実用化されています」と述べました。

サハ共和国大統領、地方都市向け映像システムと国際コンテンツ市場「GEM」を紹介
ニコラエフ大統領は、開発された「エクストラ・シネマ」システムが主に小規模都市や町村向けであり、現代的な映画上映の機会が限られている地域において特に重要な役割を果たすと強調しました。すでにこの技術の海外展開も始まっており、サハの開発者たちはインドのパートナーと協力し、現地の環境に合わせた技術適応を進めています。
さらに、ニコラエフ大統領はもう一つの戦略的プロジェクトとして、ロシアのクリエイティブ・コンテンツを国際市場に発信する取り組みを紹介しました。2026年3月には、ロシア初となる国際コンテンツマーケット「グローバル・エンターテインメント・マーケット(GEM)」がヤクーツクで開催される予定です。
このイベントは、アニメーション、映画、ゲーム開発、音楽といった主要なクリエイティブ産業を結集し、コンテンツの紹介およびライセンス取引の場を提供します。
ニコラエフ大統領は次のように述べています。
「重点分野はアニメーション、映画、ゲーム開発、そして音楽です。このマーケットには約400名の業界関係者とおよそ7000名の来場者が集まると見込んでいます。最大の特徴は、これまで世界で誰も見たことのないコンテンツが紹介されることです。GEMは、アジア太平洋地域のコンテンツ産業を惹きつける拠点となり、ロシアが自国の文化的創造力を発信し、新たな市場を開拓する契機になると確信しています。」

サハ共和国におけるクリエイティブ産業の包括的エコシステムを基盤とした新たなプロジェクト
これらの意欲的なプロジェクトは、サハ共和国で構築された包括的なクリエイティブ産業のエコシステムを基盤としています。その中核となる要素は、クリエイティブ・クラスター「労働の町」、ITパーク、テクノパークです。
また、IT分野の支援を目的として「イノベーション開発基金」が設立されており、その中のアクセラレーター「B8」にはこれまでに143のチームが参加し、65のプロジェクトが総額1億2500万ルーブルを超える資金提供を受けました。
映画産業は文化省の助成金制度により支援され、アニメーション分野は「デジタルコンテンツ開発基金」を通じて支えられています。さらに、資源採掘関連企業向けのITスタートアップ投資基金が設立され、2024年にはファッションブランド支援プログラムも開始されました。
サハ共和国大統領による「サハ共和国クリエイティブ経済発展に関する政令」に基づき、2030年までの具体的な目標が定められています。
それは、
• クリエイティブ産業に従事する人材を現在の4万8千人から7万人に拡大、
• クリエイティブ産業の付加価値総額を450億ルーブルから900億ルーブルへ倍増、
• そしてロシア国内におけるクリエイティブ経済発展のリーダーとしての地位を確立することです。
「ロシア国際クリエイティブ・シーズン(RICS)」は、ロシアのクリエイティブ産業に関する専門知識を世界に発信し、同国のクリエイティブ経済を国際市場に統合することを目的とした国際的なプラットフォームです。
現在、サンクトペテルブルクでは本プログラムの第1回会議が開催されており、MENA諸国、CIS、SCO、BRICSなど、20か国以上の代表が参加しています。
【YAKUTIA24】 通信社 10月14日