
アルロサは人工知能技術を活用してダイヤモンド採掘の効率を向上させます
最大手のダイヤモンド採掘企業アルロサとスベル銀行は、人工知能を基盤としたデジタル技術およびソリューションの開発と導入で合意しました。この意向書は、第28回サンクトペテルブルク国際経済フォーラムで、アルロサのパベル・マリニチェフCEOとスベル銀行取締役副会長アナトリー・ポポフにより署名されました。
両社は、画像認識技術、ビデオ分析、自動的な視覚情報解釈を基盤としたソリューションの開発と実装に取り組みます。コンピュータービジョン技術と高度な分析を活用することで、採掘プロセスにおける人的要因の影響を軽減し、採掘量の管理、採掘品質の追跡、機器の欠陥検出に効果をもたらします。
さらに、この技術は採掘現場の道路状況やダンプカーの稼働状況の監視、生産施設における規則遵守の管理にも役立ちます。

アルロサとスベル銀行は共同で研究を行い、大規模言語モデル(LLM)の開発と適応を進め、音声およびテキストアシスタントの形式で情報検索や指示・ヒントの作成に組み込む予定です。
大規模言語モデルの活用により、社内の共通業務(文書作成や報告書の事前分析など)の効率化が図られ、オフィスワーカーの生産性向上が期待されます。
また、検索拡張生成(RAG)アーキテクチャを用いたLLMの利用により、従業員は情報の検索や集約にかける時間を大幅に削減できます。例えば、数万件に及ぶ地質報告書に関する質問への回答を数秒で得ることが可能になります。

また、機械学習分野における知識と技術の共有、共同データセットの作成、モデルの学習および導入のためのアルゴリズムとプラットフォームの開発も計画されています。アルロサは、生産、物流、管理プロセスの分析、モデリング、改善に人工知能を活用し、生産性向上とコスト削減を目指します。
アルロサ CEO パベル・マリニチェフ氏は次のように述べています。
「デジタル化は単なるトレンドではなく、戦略的な方向性です。アルロサでは人工知能の発展に向けて野心的な計画を立てており、鉱業における最適化と革新の新たな可能性を切り開いています。スベル銀行とのパートナーシップは、効率性、持続可能性、そして技術的自立性を高める新しい地平を開きます。」
スベル銀行 取締役副会長 アナトリー・ポポフ氏は次のように述べています。
「アルロサは世界のダイヤモンド総採掘量の4分の1以上を占める重要なパートナーです。この協定締結により、私たちの協力は最も重要な分野の一つである技術分野でさらに拡大します。人工知能は産業界に大きな可能性を秘めています。コンピュータービジョンや大規模言語モデルは、運用効率と製品品質の飛躍的な向上をもたらします。共に最高のAIソリューションを開発・導入し、アルロサが市場をリードし、世界のダイヤモンド採掘における地位を強化する手助けをしていきます。」
アルロサ広報部 6月30日