
ALROSAは2024年の試練を乗り越えました
本年4月17日、ミールヌイで伝統的な企業フォーラム「ALROSA経営活動会議」が開催され、昨年の成果が総括され、将来の計画が議論されました。
フォーラムの開会は、サハ共和国のアイセン・ニコラエフ大統領によって行われました。彼は、ALROSAの戦略は単なる生産目標にとどまらず、第一に共和国住民の福祉と結びついていると強調しました。そのため、企業およびサハ共和国全体にとって、制裁強化の状況下での停滞を防ぐことが目標とされています。
ニコラエフ大統領は、ALROSAがサハ共和国の生活に果たす非常に重要な役割についても言及しました。過去10年間で、ALROSAグループの企業は共和国および地域の予算に6,310億ルーブルを納付しており、これはサハ共和国の統合予算における自主財源の35%に相当します。この間に同社が支払った配当金は1,520億ルーブル以上にのぼります。また、同社は大規模な環境プロジェクトを実施しており、加えて780億ルーブル以上が社会的支出に充てられました。
「ALROSAは、わが国のみならず世界経済においても、企業の社会的責任の模範であると確信しています。同社がサハ共和国の発展と住民の生活の質向上に関与している度合いは、計り知れません」と、ニコラエフ大統領は述べました。
また彼は、ALROSAの積極的な参加のもと、サハ共和国政府が3年連続で2030年までのミールヌイ地区開発に関する大統領令の実施に取り組んでいることを指摘しました。特に「ミール・グルボーキー」鉱山の戦略的投資プロジェクトの実施が継続されています。
「近い内、地下鉱山『ユビレイヌイ』の建設開始について本格的に取り組む時期だと考えています。『ヤクトニプロアルマズ』研究所は、このプロジェクトの実施に向けた予備的なロードマップを作成しました。設計作業の開始に関する決定も承認されました」と、ニコラエフ大統領述べました。

主な生産活動と産業安全
ALROSAのチーフ・ジオロジストであるロマン・ジェロンキンは、フォーラムにおいて新たな鉱床開発の展望について語りました。現在、ALROSAグループのダイヤモンド埋蔵量は10億カラットを超えており、長期的な採掘計画の構築が可能です。同時に、これらの一部の鉱床の採掘採算性は市場環境に左右されます。こうした鉱床はすべての鉱山コンビナートに存在しており、そのため鉱物資源基盤の第一の課題はその強化です。
地質学者たちは、境界的キンバーライト鉱体および漂砂鉱床の大規模サンプル取得の新たな手法を模索しています。これにより、鉱床の信頼性ある評価が可能になります。第二の課題は、新たな原生ダイヤモンド鉱床の発見です。第三の課題は、鉱物資源基盤の拡大です。
ウダチヌイ鉱山コンビナートで2024年に導入された新しいツールについては、同鉱山のディレクターであるドミトリー・カシヤノフ氏が説明しました。ミールヌイ鉱山・選鉱コンビナートのアレクセイ・コヴァレンコは、従業員の労働環境改善について報告しました。
例えば、ナクインでは120名収容の第3居住ブロックが導入され、4棟の住宅の大規模改修が完了しました。また、ナクイン、ミールヌイ、アルマズヌイの遠隔地での宿泊用として、26台のトレーラーハウスが購入されました。ナキンでは6月に第4居住ブロックが稼働開始予定であり、2026年には第5居住ブロックも完成予定です。ミールヌイでは第3工場の従業員向けの寮建設が決定されました。
ALROSAとサハ共和国政府の協力
フォーラムでは、ALROSAとサハ共和国)のイノベーション開発基金との間で、3年間の追加協力協定が締結されました。ALROSAは1億ルーブルを拠出し、ハイテク起業およびイノベーションの発展支援に充てられます。
また、「働くヤクーチア:人材」プロジェクトの実施に関する、ALROSA、サハ共和国雇用委員会、産業地質省との間の協力協定も締結されました。このプロジェクトは、地元住民や高度な専門人材がサハ共和国の企業に就職できる機会を提供することを目的としています。
ALROSAの環境戦略について
ALROSAの環境センター所長アナスタシア・ガブラシトワは、同社の環境戦略について説明しました。過去5年間で、100を超える衛生保護区域が設置されました。ALROSAは常時環境モニタリングを行っており、59の水域を対象に観測を実施しています。また、土壌や大気の状態についても継続的に監視が行われています。
北方トナカイの個体数保護にも大きな関心が寄せられており、ALROSAはサハの河川における魚類資源の回復にも取り組んでいます。2018年以降、様々な魚種の稚魚約1,500万匹が河川に放流されました。
ダイヤモンド・宝石市場
ダイヤモンド市場の状況は、ALROSAの全従業員のみならず、サハ共和国全体の安定と福祉にも大きく関わる重要な関心事です。ALROSA国際協力部門の責任者であるピョートル・カラクチエフは、ダイヤモンドおよび宝石市場の発展見通し、また、同社が制裁圧力にどのように対応しているかについて述べました。
「業界のすべての関係者が取り組むべき重要な課題は“種別マーケティング”です。つまり、主要な販売市場における需要を喚起し、天然ダイヤモンドの広告・宣伝を強化することです。ALROSAにとって最も重要なのは、友好的な市場においてこれらの広告キャンペーンを実施することです。これが、ALROSAだけでなく、ダイヤモンド業界全体の成功のカギとなるのです」と、ピョートル・カラクチエフは語りました。

人材と社会政策
ALROSAのアレクセイ・ジャチコフスキー副社長は、同社の住宅プログラムについて説明しました。このプログラムは、次の4つの主要な方向性を持っています:
- 若手専門家への住宅補助、
- 必要とされる専門職への住宅ローン支援、
- 招聘された高度専門職への賃貸住宅費の補助、
- 企業住宅基金からの条件付き住居提供。
ALROSAは2027年までに5つの住宅プロジェクトを実施する予定です。現在、150戸を備える16階建て住宅の建設が進行中で、この住居の賃貸費用の3分の2は、連邦および地域予算から補填される予定です。
第2のプロジェクトでは、ミールヌイとウダチヌイに114名収容の寮が建設され、さらに(ミールヌイ鉱山選鉱コンビナート)向けに104名収容の寮が整備される予定です。ミールヌイでは82戸の共同所有型住宅の建設も計画されています。また、ALROSA従業員への住宅ローン補助の可能性についても議論が進められています。
フォーラムでは、労働組合「プロファルマズ」の会長コンスタンチン・デグチャレフや、ALROSA医療センターのエレーナ・ボリソワ所長も発言しました。
経営者フォーラムでは、ALROSA従業員から約500件の質問が寄せられ、その中のひとつに人員削減に関するものがありました。
これに対し、パベル・マリニチェフCEOは、さらなる人員削減は予定していないと明言しました。
「世界的な危機への対応の一環として、当社は収益性の低い一部の鉱床の操業を停止しました。対象となったのは、『アナバル・ダイヤモンド』の一部の漂砂鉱床およびヴェルフネ=ムンスコエ鉱床です。これらでは、現状で利益を得ることが困難であり、操業を続ければ損失が増え、市場へのダイヤモンドの供給過多を招き、事態を悪化させるだけでした。短期的な利益のために『旨い汁を吸う』こともできましたが、そうすれば将来的にそれらの鉱床は採算が取れなくなってしまいます。今操業を止めておくことで、市場が回復した際に、計画的に操業を再開できます。
人員削減の対象となる方々とそのご家族への責任の重さは十分に理解しています。一人ひとりと個別に対応し、他の事業所での雇用の機会を提示する予定です。そのためには再教育が必要ですが、その費用はすべてALROSAが負担します。現時点で講じた対策は十分であり、今後の追加的な人員削減は計画していません」と語りました。
フォーラムの締めくくりとして、ダイヤモンド企業のCEOは「今後待ち受ける多くの困難や課題にも、ALROSAは必ずや乗り越えていく」と述べました。
ALROSA広報部 5月7日