アイセン・ニコラエフ大統領は、例年通り鉄の精錬(製錬)作業に参加しました
サハ共和国では、鍛冶技術の復興、保存、そして普及に特別な関心が寄せられています。2013年には、「サハ・ナイフ」が共和国初の物産品として登録され、その品質は世界的にも高く評価されています。
アイセン・ニコラエフ大統領は、7月3日に開催された「オロンホ・イシアフ」において、鍛冶職人と民芸職人が集う「チュスュルゲ」を訪問しました。現地のヤクート鉱石から伝統的な方法で鉄を精錬する作業にも参加しました。
「オロンホ・イシアフにおける伝統的な要素の一つに、サハの鍛冶職人が古来の技術で鉱石から鉄を精錬する儀式があります。鍛冶はサハ民族の古来からの伝統工芸であり、この祭りは様々な地区(ウルス)の世代を超えた鍛冶職人たちをつなぐ場です。私自身、この鉄精錬の儀式に毎年参加することが恒例となっており、今年も大変うれしく思っています。」

「年々、鍛冶の技術が着実に発展していることを大変嬉しく思います。世界的に有名なサハ・ナイフ、ホムス(口琴)、その他のユニークな工芸品を作る名匠たちが多数おり、さらにこの伝統的な技術に興味を持つ若者たちも増えています。
そのため、私は、サハの鍛冶職人たちの伝統的な技術や熟練の秘技が、これからも世代を超えて受け継がれていくと確信しています。ネリュングリの地に鍛冶職人たちのチュスュルゲ(作業拠点)が誕生したことで、この地域でも鍛冶の技が復興・発展し、新たな伝統工芸の名匠たちが育っていくことでしょう」と、サハ共和国のニコラエフ大統領は、共和国各地から集まった鍛冶職人たちとの交流の中で語りました。
この日、職人たちはタッタ地区のアルダン川沿いで採掘された鉱石20kg以上から、約4kgの鉄を精錬しました。
主催者によると、イシアフ・オロンホでは例年、伝統工芸品の共和国規模のコンテストが開催されており、「バトィヤ・パルマ(儀礼用棒)」、「ホムス(口琴)」、「サハ弓」などの名匠が選ばれています。
今年は初めて、「トナカイ用具の鈴(ケンギレン)」や「北方遊牧民のナイフ」の鍛冶職人コンテストも実施されます。イベントの主催は、サハ共和国鍛冶職人連盟とチュラプチャ地区です。
チュラプチャ地区の有名な鍛冶職人であるワシリー・ポポフ氏(通称バーハ・ウース)はこう語りました。
「チュラプチャ地区とネリュングリ地区との親善関係は48年間にわたって続いています。ここネリュングリで開催されたイシアフ・オロンホは、まるで我が家のように感じられます。
今日、私たちのチュスュルゲの完成に皆が感動し、美しく立派な建物に胸が高鳴っています。審査員の一人として、祭りの運営がとてもよく整っていることを強調したいです。
2025年のイシアフ・オロンホでの鍛冶職人コンテストが、我々の伝統工芸のさらなる発展に新たな弾みを与えてくれると確信しています。」

なお、2022年はロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏によって「ロシア諸民族の文化遺産年」と定められました。この年、サハ共和国のニコラエフ大統領の提案により、鍛冶技術の復興・保存・普及に顕著な功績を挙げ、地域社会に積極的に貢献し、子どもや若者の伝統文化への関心を育んでいる鍛冶職人7名に対して、特別功労者としての毎月の奨学金が創設され、現在も毎年継続して授与されています。
また、サハ共和国では、2033年までを対象期間とする「民族工芸に対する国家支援の概念(コンセプト)」が策定・承認されました。その目的は、伝統的な精神的・道徳的価値観を保護するための有利な条件を整備し、住民の民族工芸への関心と参加を促進することです。
第18回 共和国規模の「イシャフ・オロンホ祭」は、7月3日から5日まで、ネリュングリ地区の「タースタフ」の地で開催されており、サハ共和国南部の首都50周年、および大祖国戦争勝利80周年に捧げられています。
この「イシャフ・オロンホ」は、2006年よりサハ共和国のさまざまな地区で毎年開催されており、2026年にはコビャイ地区での開催が予定されています。
サハ共和国大統領府・政府報道局 7月7日