サハ共和国は新たな地域ブランド「サハのウンティ(毛皮ブーツ)」を登録した
ロシア連邦知的財産庁(ロスパテント)は、サハ共和国の地理的表示(GI)として「サハのウンティ(GU 390)」を登録した。この新ブランドは、優れた防寒性と芸術的な装飾で知られるサハ職人の独自の伝統と技術を正式に認定するものである。
サハ共和国は北半球で最も厳しい地域の一つで、冬は7〜9か月続き、気温は−71.2℃に達することもある。このような過酷な環境の中で、何世紀にもわたり暖かい靴「ウンティ」が作られ、改良され続けてきた。ウンティはサハ人の伝統衣装に欠かせない要素となっている。

ウンティはトナカイの足の毛皮(カムス)から作られ、その毛皮は特に耐久性と保温性に優れている。天然毛の管状構造と多層のフェルト底により、ウンティは−50℃までの寒さから足を確実に守る一方で、快適で通気性も保たれている。この靴の製作には高度な技術が必要で、工程の最大80%が手作業で行われる。1足を作るには、毛色と品質に合わせて選ばれた8〜10枚の毛皮が使用される。
サハのウンティは、先祖の伝統を守る職人の創造的な労働の結晶である。民族的な装飾模様、ビーズ、革や毛皮のアプリケーションで飾られ、模様や色彩の多様性により、すべての一足が独自の個性を持つ。
ウンティの生産は、地域の気候や自然条件と密接に関係している。毛皮は冬から春にかけて採取され、毛皮のなめしから靴の組み立てまでのすべての工程が厳格な獣医衛生管理のもとで行われる。完成品は、形状、毛皮の品質、厚さ、色などの基準に従って検査される。

サハのウンティは単なる靴ではなく、サハ人の文化的アイデンティティを象徴する重要な要素である。これらは北方民族の伝統、生活様式、芸術的センスを反映するとともに、現代における伝統工芸の持続的な保存の好例ともなっている。新たな地理的表示の登録は、民芸品産業の発展、地元職人の支援、そしてサハ産品の国内外での普及に寄与する。
サハ共和国は地域のブランドイメージを着実に強化してきた。これまでにロスパテントには「サハナイフ」、「サハ・ホムス(口琴)」、さらに広く知られるブランド「サハダイヤモンド」が登録されている。今回、新たに「サハのウンティ」が加わり、北方民族の温かさ、伝統、技術の象徴となった。
【YAKUYIA24】通信社 10月27日