「特別軍事作戦」の結果、先住民族が故郷のサハ共和国を離れる
9月2日から9日まで、半年ぶりにヤクーツクに行ってきました。前日は気温が20℃だったが、着いた日から天気が崩れて、日中気温は10℃まで下がり、ヤクーツク市民は秋物服を着ていました。
ロシア軍によるウクライナ侵攻開始から既にほぼ3年が経ちましたが、この「特別軍事作戦」はいつ終了するか、まったく見当が付きません。
さて、この3年でヤクーツク市民の生活はどのように変わったか、今回の滞在中に思い切って調査してみました。
先ずは、物不足の現状を調べるために、ヤクーツク都心部の最大のショッピングセンター「トゥイマーダ」まで足を運びました。この店はいつものように賑わっており、スーパーに野菜・果物その他種類の豊富な食料品が置いてありましたが、買っている人が少なかったことにビックリしました。現状に詳しいサハの友人は、「この店は物が豊富ですが、物価はこの3年、20%から25%上がりました。他の店もそうです。ここで物を買う余裕がある一般市民は、いわゆるロシア軍の「契約兵隊」くらいです。この人達は、契約時に130万ルーブルの一時金と月々20万ルーブルを国防省から支給されます。一般市民は、そんな金額を簡単に稼げないので、国防省と契約している人々はかなりいます。また、戦死した場合、遺族に500万ルーブルの見舞金が支払われます。これはサハ住民にとってかなりの大金です。(例えば、ヤクーツク市内の50~60㎡のアパートの値段は250万ルーブルです) この場合、遺族が機密遵守契約を交わします。今年始めから19万人の契約兵隊はロシア軍に入り、その半分以上はサハ共和国のような少数民族の先住民です。」
しかし、数百万ルーブルの謝金のために命を落としたくないサハ住民は、ロシアの他の地域へ流出しています。この数年間、サハ共和国から中央ロシアへの移住流出は1万8357人に達しました。
そして、以前はサハ共和国を出国したのは主にロシア系の住民だったが、現在では出国者の大多数は先住民のサハ人となっている。これはソーシャルネットワーク上で明らかであり、彼らは新しい場所での生活や、この地域で増加し続けるサハ離散者について話しています。
統計でもそれが示されています。サハ統計局によると、出国したサハ住民の大多数 (55.1%) がパスポートからサハ居住登録を取り消し、新しい居住地に移動した。
ノーボスチ通信社の専門家は、2023年に生活の質の地域評価を発表しました。 サハ共和国は85地域中70位となった。
事務局 9月13日